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【読書】『殺しへのライン』アンソニー・ホロヴィッツ著

マネー本ばかり読んでいないで、たまには自分の好きなミステリ本を読もう!
ということで今回ご紹介するのはこちらです。
アンソニーホロヴィッツ著『殺しへのライン』創元推理文庫

 

1、どんな本なのか

 

本作はホーソーンホロヴィッツシリーズ本の3作目です。
なので読む場合は1作目から読む必要があります。

『メインテーマは殺人』
『その裁きは死』
の2作が既刊で発売されています。

第1作。東京創元社HPより


2作とも「このミステリーがすごい」の海外部門で1位を獲得しており
同じ著者の別シリーズカササギ殺人事件』『ヨルガオ殺人事件』
1位を獲っており、今年も本作『殺しへのライン』が獲ってしまうと
2018年から5年連続1位ということになり、この作者の凄さが分かると思います。

 

2、シリーズのはじまり

 

この小説の語り手はホロヴィッツ本人です。
探偵役はホーソーンという元刑事。
敏腕刑事だったホーソーンは退職して刑事ドラマの監修なんかをしているのですが
その縁でホロヴィッツにある依頼をします。
その依頼とは自分を主人公として事件を追う自伝的な小説を書いて欲しいというもの。

迷いつつも依頼を受けたホロヴィッツはワトソン役として
事件を描写していくのですが、すぐに後悔することになります。
というのもホーソーンは頭は切れるものの秘密主義者で
自分のことも事件のことも殆ど語らず
そのためホロヴィッツは的外れな推理をしては、事件解決の邪魔をしたり
勝手に墓穴を掘ったりします。

著者と同名の人物が登場するミステリはたまにありますが
ここまでリアルに著者本人を描いてしまった作品は珍しいと思います。
日本では似た趣向のもので有栖川有栖著『火村&アリスシリーズ』がありますが
あれを読んで作中の有栖川=著者本人と思いながら読まないと思います。

自らが作り出したキャラクターに著者本人が翻弄される状況に矛盾を感じつつも
ちょっと笑ってしまいます。
この独特の世界観が物語を面白くしています。

私はこのシリーズを読むとき、いつも古畑任三郎で「今泉くん」の代わりに
三谷幸喜さんが本人役で出演する回があったら面白いのにな、と思ってしまいます。
「古畑にデコピンを食らわされる三谷さん」というのを見てみたかったです。

 

3、本作のあらすじは

 

文芸フェス(海外ではそういうものが盛んらしいです)に出演して自作の
プロモーションをするためオルダニー島を訪れたホロヴィッツホーソーン
島では電力事業を巡って争いが起きているところだった。
そんな中フェスの関係者が椅子に縛り付けられた状態で殺されているのが発見される。
警察から協力を依頼されたホーソーンは捜査に乗り出すが・・・。

オルダニー島なんて架空の島だと思ったら(日本だと架空の島にするか「K島」とか
そんなふうにしますよね?)調べたら実際にある島でした。

この小説は出版社での打ち合わせのシーンで始まります。
出版社の人やエージェントは本物の探偵ホーソーンに興味津々で
ホロヴィッツに塩対応です。
しかもホーソーンは30分も遅れて来たのに、その場のムードを掌握してしまいます。
そしてそこにいた人たちの今おかれている状況をホームズのように
観察によって言い当て、ホロヴィッツを驚かせます。

文芸フェスに慣れているホロヴィッツは、今度こそ主導権を握ろうとしますが
島では事件が起こって、またまた翻弄されてしまいます。

 

4、海外ミステリ注目本は

 

このままホロヴィッツ5作連続1位でよいのでしょうか?
対抗馬はこれでしょうか?

タナ・フレンチ著『捜索者』ハヤカワミステリ文庫・1,782円(税込)

1,782円って、文庫なのにハードカバー並みのお値段ですね。
お値段以上かどうかは読んでのお楽しみです。

本日のなぞかけ(その31)
ミステリ小説の山場とかけまして
海外古典で短編の名手も読んでみたい、とときます。
そのこころは
サキが気になります・・・かめ乃てでした。

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