目指せ早期退職!及び腰でFIRE

中小企業のサラリーマンが定年を目前にプチFIREしようという話。

【読書】新田次郎『八甲田山』

2月に読んだ100円中古本より
八甲田山 死の彷徨』新田次郎著(新潮文庫)をご紹介します。

e-honより


八甲田山』といえば私(60手前)と同年代かそれ以上の方には、
映画版がおなじみでしょう。
「天は我々を見放した」というセリフが流行るくらい、
映画がヒットしていた記憶がおありかと思います。

映画.Comより


私には「なんか兵隊さんが雪山で遭難する話」くらいのおぼろげな印象があっただけ
でしたが、今回本書を読んで、そのすさまじい内容を知ったのでした。
ご存知の方も多いと思いますが、その内容をおさらいしてみます。

<目次>

 


1、何しに真冬に八甲田山に登ってんの

当時(1902年)は日露戦争(1904年~1905年)が勃発しそうな時期で、
寒冷地での行軍に備えた演習だったのですね。
演習なんだから、吹雪がひどければ引き返せばいいようなものですが、
ここが軍隊のやること、実際の軍事作戦と同様、無理やりにでも行軍しちゃうんです。

隊はふたつあって、別方向から行軍し途中ですれ違うようにして
競わせる感じだったんです。


2、徳島隊は生還、神田隊はほぼ全滅

映画では高倉健さんが演じた徳島大尉の隊は、
行軍中にもそれぞれにデータ収集をし
「どうすればオニギリを凍らせないで食べられるか」
「凍傷を防ぐには足もとの装備をどうすればいいか」
などの検証結果をフィードバックしながら進み、なんとか生還を果たします。

一方の神田大尉(映画では北大路欣也さん)の隊には、オブザーバーとして、
隊長の神田よりも上長の、山田大佐とその取り巻きがいたのです。
これがこの隊の悲劇的な運命を決めてしまいます。
途中で引き返せるタイミングも、こいつらのせいで逸してしまいます。


3、200人が無駄死に

当時は大寒波が来て、八甲田山は猛吹雪だったんですね。
その中で兵士達が死んでいく場面は悲惨です。

指先が凍傷になると、ズボンの前が開けられなくなります。
おしっこしたくても、前をあけられず漏らしたり、
焦ってズボンのボタンを引きちぎってしまうと、
そこから体が凍ってくるんですって・・・すごい恐怖ですね。

突然真っ裸になって氷の川に飛び込み、
狂い死にしてしまうという描写も頷けます。


4、馬鹿なトップが組織を狂わせる

全滅の責任ははっきり言って、隊長を無視して
隊を迷走させていった山田大佐にあります。

本書を読んで、真っ先に思い浮かぶのがプーチンであり、
ビッグモーターの社長やら、ダイハツの経営幹部たちです。
そして自民党各派閥のトップの爺さんたちの顔です。

組織というのは上がシロと言えば、黒でも白です。
みんなが、おれは黒だ白だと言っていると、前には進みません。
上の判断が正しければいいですが、私もサラリーマン時代には「これはダメだよね」
と思いながら、やれと言われて、やっていたことは往々にしてありました。

「こんなの失敗するよね」と思いながら立場上、決裁書を持って
「何卒ご決裁を」なんてことも。

でもそれが組織というものです。
「ゴルフボールで車を叩きなさい」と言われれば叩くし
「裏金だけどもらっちゃいなさい」と言われればもらっちゃう。

我々は一度組織に入ると上長を選べないので、
嫌ならその組織から離脱するか、組織のトップになるかしかありません。

私は前にいた会社は嫌いではなかったのですが、
30年も経つと「思ってたんとだいぶ違う」ことになって
(実家の事情もありましたが)組織離脱の道を選びました。

バイトは仮住まいですので、そう考えると
現在の私の属する組織の長は、キシダということになります。
あれで大丈夫かね。

とにかく自民党の皆さんは、党幹部や大臣になる前に
八甲田山』をぜひ読んでください。

はてなブログユーザーの方はぜひ読者登録をお願いします。コメントもお気軽に

はげみになりますので、クリックお願いします↓

にほんブログ村 その他生活ブログ FIREへ
にほんブログ村