2月に読んだ100円中古本から1点ご紹介します。
『沿線地図』山田太一著/角川文庫(たぶん版元品切れ)
改札口で君のこと~♪
それは「私鉄沿線」野口五郎。そんな話はともかく。
著者は脚本家の山田太一さんですが、惜しくも昨年亡くなられましたね。
山田太一さんといえば、あのドラマでしょう。
「山田先生、亡くなられたねえ。残念だなあ」
「言うかな。そんなふうに簡単に残念とか言っていいのかな」
「何よ。何なのよ。残念の何が悪いのさ」
「昨日まで山田先生のこと、頭をよぎることも無かったのに、
亡くなったからって急に残念だとか、人の生き死にってそんなもんかな」
「そんなもんだよ。そんなもんって考えなきゃ、やってらんないだろ。
俺達、四流の大学なんとなく卒業して、三流の会社入って、
それでもこうして何とか生きてんだよ。死んで残念でなくて何なのよ」
「そういうとこよ!お前のそういうとこよ!」
「ちょっともういい加減にしなさいよ。仲手川君、困ってるでしょ」
「お母ちゃんは黙っててよ!」
・・・というセリフ回しが面白い『ふぞろいの林檎たち』ですね。
今で言う「イケてない若者」がもがく様が、
観ていてイタタタと身もだえしながらも、毎週楽しみにしていました。
再放送してほしいなあ。
もう1つ再放送が観たいのは『岸辺のアルバム』ですね。
若くして多摩川のほとりにマイホームを建てたサラリーマン氏一家の話です。
一見幸せそうな家族ですが、妻は浮気、娘は外人に孕まされ、
本人は会社でヤバい仕事に関わり、その秘密を高校生の息子だけが知ってしまう、
という「辛口ホームドラマ」ですね。
多摩川が氾濫して、マイホームが流されていくオープニングテーマの映像だけで
涙が出そうになります。
あのドラマの影響で、私は家を建てるのは諦めました。
肝心の本作『沿線地図』ですがドラマは未見です。
エリート銀行員一家と、電気屋さん一家の2家族の話です。
銀行員一家のまじめな息子と、電気屋一家のちょっと不良っぽい娘が
駆け落ちして同棲を始めてしまいます。
連れ戻そうとする親たちに
「レールから外れるために、敢えて高校も中退して自活する」
などと自論をぶつける少年少女。
若者達の考え方、生き方に「人生はそんなもんじゃない」と思いつつも
影響されてしまう両親・・・。
まあそんな話ですが、品切れ本を紹介しても仕方がなかったですね
(さんざんいろいろ書いて、いま言うかねえ)。
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