確かにあなたの言うとおり、
いま世界で一番忙しいお爺ちゃんは、まぎれもなくあの二人でしょうね。
犬山に行ったときの続きの話です。
犬山市で行くべき名所は国宝・犬山城、伝統の木曽川鵜飼、
そしてこのディープスポット、パブレスト１００万ドルで間違いないでしょう。
＜目次＞
１、鵜飼の前に一息
私ら夫婦は犬山駅から城下町をぶらぶらしながら、犬山遊園駅に向っていました。
そこで名古屋在住の友人と待ち合わせていたのです。
その途中、視界の端に映ったのが下の画像のような建物です。
改札口で友人と落ち合って、
「暑いので冷たいものでも飲んで一服しよう」ということになりました。
鵜飼までにまだ１時間ほどあったのです。
「その辺りに何かすごい感じの店があるよ」と誘うと、友人は乗ってきました。
店の前まで来て、その異様な威容に圧倒されつつ、逡巡しましたが
「旅の恥？はかきすて」とばかりにドアを押しました。
２、１００万ドル体験
中はこんな感じで、外装から想像される以上のド派手なもの。
中央にカラオケのモニタがあり、
今もまさに、聞いたことのない歌を、中年女性がうなっています。
どうやら１曲100円で歌えるらしいです。
おじいちゃん、おばあちゃんが次は私だと、
通信端末（デンモク）をいじりながら選曲中です。
マスターが来ました。
70くらいのお爺ちゃんですが、
キラキラ加工された、カラー画像の名刺を全員にくれました。
「美術アーティスト大沢武史」と名前が入り、
笑顔の本人写真が印刷されています。
裏面には、インスタのリンク用と思われるＱＲコードが。
カフェで名刺をもらったのは初めてです。
美術アーティストというだけに、本人筆と思われる絵画がそこここに飾られており、
私の椅子の背後にあったのがこのフェルメールの模写。なかなかのものです。
続いてお冷を運んできたのは、おそらくマスターの奥さんでしょう。
一見、普通の人で安心しました。
３、驚愕のモーニングセット
愛知県は喫茶店のモーニングセットが文化となっています。
モーニングの発祥の地は、愛知県一宮市と言われていますね。
私も愛知県に在住していた時期が長いですが、最初はこの文化に驚きました。
愛知県の郊外のたまたま入った喫茶店で、午前中にコーヒーを頼むと、
トーストやゆで卵などは当たり前、赤飯に味噌汁なんてのもありました。
「あの、頼んでないですけど・・・」「セットだぎゃ」などと言われて
半信半疑で赤飯を食べたのを思い出します（コーヒー代しかとられませんでした）。
まったく地タマの奴らの考えることは分かりません。
さてこの店でコーラ（600円）を頼んだら、
コーラの前に、まずスイカが来ました（笑）。
初ものをこんなところで食べるとは（笑）。
次に出てきた皿には、サンドイッチはともかくとして、
バナナ１本、みたらし団子１本、赤飯おにぎり１個、どら焼き１個。
お皿にはラップがかかってあるので、
セットしてキッチンに作りおきになっているようです。
サンドイッチは手作りかもしれませんが、ほかは明らかに市販品です。
スイカがあるのにバナナもあるのね。
友人が30年数年前の私と同じセリフを言いました。
「あの、頼んでませんけど・・・」「セットだがね」
まったく地タマの奴らは・・・ニコチャン大王もびっくりのセットです。
４、この店に集う人々
この店の常連と思われる人が
「この店、初めてきゃ？どこからみえんさったね？」なんて話しかけてきました。
デンモクをまわしてくれたけど、さすがに歌いませんのでお返ししました。
常連さんが「この店の絵はみんなマスターが描いたんよ」と説明してくれます。
鵜飼に行くのだというと
「すぐそこにあるけど行ったこと、にゃーわな。案外、そんなもんだて」。
そういう中でも途切れることなく、謎の演歌やらムード歌謡やらの
カラオケ熱唱が続いています。
船に乗るのにお腹にモノを入れたくなかったけれど、
立派な昼食になってしまいました。
さあ、皆さんもぜひディープな犬山市へ！
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