この本を読みました。
『限りある時間の使い方』オリバー・バークマン著 かんき出版2022年6月刊
年末にわっと買った本の1冊です。
2023年より我が家ではこづかい制が廃止されるので、その前の駆け込み購入です。
<目次>
1、どんな本なのか
かんき出版の本であり、装丁の感じもビジネス書ですね。
一見タイムマネジメントの本に見えます。
「朝一番に重要な仕事をやれ」「細かい仕事はスキマ時間にやれ」
「たまったメールはこんなふうに処理しろ」・・・的な本と思いきや、実は違います。
人生訓のような自己啓発本ですね。
なのでこの本には「使い方」というタイトルとは裏腹に
ハウトゥ的な要素はありません。
むしろ時間をコントロールしようなんて無謀な考えは捨てろ、と説いています。
2、選書の理由
私はリタイアしてしまっているので今更タイムマネジメントもありません。
ではなんでこんな自己啓発本を読もう思ったのか。
それはやはり「人生も折り返し地点をとうに通過して残りも短くなってきたな」
と思うからですね。
その残り短い時間も働いていたら、毎日飛ぶように過ぎていくわけですし
時間は金に変わります。
でもリタイアした身にはいわば時間は無為に過ぎていくわけです。
暇を持て余して困っているわけではないのですが、これでいいのかな
という疑問も湧いてきます。
本書で「ビラブルアワー」というくだりがあります。
ビラブルアワーというのは企業弁護士の報酬が分単位で決まるというものらしいです。
企業弁護士は「時間=お金」という価値観に染まってしまい
自分のため、家族のために過ごす時間を蔑ろにしてしまい
往々にして不幸になりがちだそうです。
そして我々もまたその考えになっていないか、ということです。
「休みを有意義に使う」というときに、趣味に打ち興じるのではなく
副業に使いがちなのは、お金儲けという口実があるからですね。
でも本来余暇というのは何もしないこと、するにしても自分の好きなように
使うことのはずです。
「有意義って何?」って話です。
3、心に残ったくだり
我々が交通渋滞にあうといらだつのは、スケジュールに対して自分が無力だ
ということへのいらだちだと、著者は言います。
時間を支配しようというのは幻想に過ぎないと。
ある人が若くして友人を亡くしました。
彼が交通渋滞に巻き込まれたとき、かつてのようにいらだつのではなく
「生きてこの渋滞に巻き込まれていたら、友人はどんなに喜ぶだろう」
と考えたと言います。
もうひとつは有名な「メキシコの漁師」の小噺です。
これはネットでも見かける有名なやつですね。
メキシコの漁師が必要なだけ魚を獲って、あとは遊んで暮らしているのを見た
アメリカ人が、もっと仕事をして稼げる方法を教えようとするが
そこで得られるものは、結局遊んで暮らせることだった、というアレです。
この本の中の文脈で読むと腑に落ちるものがありました。
本日のリタイア川柳(その16)
無駄飯を 食う身の時給は マイナス千円・・・かめ乃てでした(字あまり)。
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