カンヌ天下一映画祭で脚本賞を受賞して話題の『怪物』を観てきました。
監督は是枝裕和さん、脚本は坂元裕二さんです。
音楽は先日亡くなったばかりの坂本龍一さんです。
<目次>
1、是枝裕和監督について
『万引き家族』で知った方も多いと思いますが
私は第1作の『幻の光』を小さい劇場で観ています。
そんじょそこらの俄かファンとは違うんですよ!・・・というのはウソで、
単に主演の江角マキコさんが観たかっただけ。
あの頃の江角マキコさんは、ショムニ感もなく可愛くて美しかったのですよ・・・。
その後ラブドールを主人公とした、異色の作品『空気人形』、
実に面白い福山雅治さん主演の『そして父になる』は思わず泣いてしまい、
観たような気がするけど殆ど記憶にない『海街diary』と『海よりもまだ深く』、
そしてリリー・フランキーさんのお尻ヌードの美しさを
全世界に知らしめた『万引き家族』、
ソン・ガンホさんの顔面が堪能できる『ベイビー・ブローカー』
などをロードショーで観ています(レンタルDVDは見ない!)。
そして本作もまた紛れもない傑作です。
2、脚本の坂元裕二さんについて
TVドラマでお馴染みですね。私が観たのは
『最高の離婚』『カルテット』『anone』『大豆田とわ子と三人の元夫』
『初恋の悪魔』あたりです。いずれも面白かったですね。
皆さんも「これ観た!」という作品があるかと思います。
3、音楽の坂本龍一さんについて
言わずもがなの世界的アーチストで映画音楽も多いですね。
この映画の最初の方で使われている曲は
映画『スネーク・アイズ』のテーマに似ています。
もともとBGM控えめな是枝作品なので、
本作は戦メリ的なキャッチーな楽曲はなく地味な印象です。
エンディングでは「♪カーイ、カイカイ」という怪物ソングが流れますが(ウソ)
私よりも上の年代の人は
「♪おれは怪物くんだ、怪物ランドの王子だぞ」というのがお馴染みです。
え、そのバージョンは白黒作品なの?再放送で観たのかな。
話が横チンに逸れましたが、
坂本龍一さんについては思うところが多すぎて書けません。
4、あらすじ
湖のある地方の町。駅前の小さな雑居ビルが火事になっています。
その火事をベランダから見ている親子。
母・麦野早織(安藤サクラ)と小学5年生の息子・湊(みなと)です。
早織は夫を早く亡くし、シングルマザーで子育てをしています。
常識のある朗らかな普通のお母さんですが、
最近の息子の様子がおかしいことに気付きます。
学校で何か問題があると思われ、事実確認に行きます。
しかし学校側はモンスター・ペアレントが来たとばかりに、
通り一遍の対応で、誠意がまったく感じられません。
最近孫を亡くしたという校長(田中裕子)は魂の抜け殻のよう。
教頭のカクちゃん(角田晃広)は東京03のコントのキャラそのままのいい加減さ。
また肝心の担任(永山瑛太)はふてくされていて話にもなりません。
あきれ返る早織でしたが、
実は「息子が星川君というクラスメートを苛めている」という話も出てきました。
その星川君に会いに自宅を訪ねると、星川君は無邪気そうな子どもで、
息子が苛めているとは到底思えません。
学校で一体何が起きているのか・・・。
とまあ最初の方はこんな感じです。
いじめ問題の映画かと思いきや、実はテーマはそこではありません。
ここから映画は視点を何度も変えて、
何が起きているのかを時間を行ったり来たりで見せていきます。
悪いのは誰だ?我が子なのか、クラスメートの子なのか、変な担任の先生か、
それとも謎の怪物なのか・・・?
さすがに見事な脚本で、セリフのひとつひとつが聞き逃せません。
倍速で見る輩たちには理解できないでしょう。
子役の二人の演技もすばらしいです。
ということで映画館で、ぜってえ見てくれよな。
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