目指せ早期退職!及び腰でFIRE

中小企業のサラリーマンが定年を目前にプチFIREしようという話。

【読書】『ナイフをひねれば』ホーソーン&ホロヴィッツ・シリーズ④

今回はこちらの本を読みましたので、そのご紹介です。

e-honより

<目次>


1、どんな本なのか

イギリス発のミステリで、いわゆる「犯人当て」で、シリーズものです。
本書はその4巻目ですが、4巻から読んでも大丈夫です。

この本の趣向の面白い点は、著者本人が小説内に登場するところです。
著者のプライベートや現実が、虚構の小説の中に入り込んでしまっています。

著者アンソニーホロヴィッツは児童向け小説や、ドラマ脚本も書いています。
『刑事フォイル』(自身の脚本で、現実にあるTVドラマ)
の監修で協力していた元刑事のホーソーンから、
自分を主人公にした実録小説を書くという企画を持ちかけられます。
ホーソーンが探偵、ホロヴィッツはワトソン役というわけです。

いやいや引き受けたこの試みで、実際に彼は事件に遭遇します。
頭脳明晰なホーソーンが事件の核心に迫る一方、
見当違いな推理をしては一人でピンチに陥ったりして、
著者本人はみっともないワトソン役を演じます。


2、シリーズ4作目の本書は

ホロヴィッツの書いた戯曲『マインドゲーム』が、
あるプロデューサーの目に留まり上演されることになります。

お客のまずまずの反応を得られた公演初日でしたが、
その打ち上げの席に辛口で知られる劇評家の女性が現れます。
一気に場の空気が悪くなり、しかもネットに早くも上げられた劇評は
クソミソの内容で、関係者全員が憤ります。

この劇評家は自宅で殺されてしまうのですが、
そこにはホロヴィッツが犯人である証拠がいくつも見つかります。
著者本人が逮捕されてしまう中、探偵役のホーソーンが事件を解明していきます。

劇評家の女性はなかなかの性格破綻者で、すべての登場人物の恨みを買っています。
全員が動機のある中、誰が真犯人なのかというストーリーです。
シリーズ中、最もシンプルでありながら奥行きを感じさせる作品になっています。

フーダニットな推理ものですが、今回は特にホワイダニット
犯人の動機を探る捜査が中心になってきます。
一旦釈放されたものの再逮捕の追手が迫る中、2人は真相に辿り着けるのでしょうか?


3、ホーソーンとは何者か

このシリーズのもうひとつの筋として、ホーソーンという人物の謎があります。
なぜ警察を辞めることになったのかという過去の秘密や、
家族や私生活も謎に包まれています。

彼もまた名探偵にありがちな
「真相に近づいているけど、完全に明らかになるまで黙っている」主義の男です。
そのためホロヴィッツはやきもきしながら、
余計な行動をとっては墓穴を掘ってしまうところも面白いです。

このシリーズは10作ほど続くらしいのですが、
その中で明らかにされていくのでしょう。

年末のミステリランキングに必ず入るこのシリーズ、間違いなく面白いです。
本作は今月出たばかりですので書店の新刊コーナーにあります。
気の利いた店では既刊も並んでいるでしょう。
ぜひお読みになって下さい。

はてなブログユーザーの方はぜひ読者登録をお願いします。コメントもお気軽に

はげみになりますので、クリックお願いします↓

にほんブログ村 その他生活ブログ FIREへ
にほんブログ村