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【読書】『文庫X 殺人犯はそこにいる』

『殺人犯はそこにいる』清水潔著(新潮文庫を読みました。

e-honより

1、どんな本なのか

ちょっと前のTVドラマ『エルピス』が面白かったので、その元ネタになっている
『殺人犯はそこにいる』を読むことにしました。

この本は「文庫X」としても知られています。
文庫Xは盛岡のさわや書店のスタッフ(当時)が仕掛けた本で、
手書き推薦文を書いたカバーをかぶせた上でシュリンクパックし、
タイトルが分からない状態で売り出したことで話題になりました。

現在もこの「推薦文カバー」はついていますが、タイトルは明かした状態の
カバーになっています。

肝心の本の内容はジャーナリストである著者が、幼女ばかりが殺された
一連の事件の真犯人を追うノンフィクションです。
この事件は容疑者が逮捕され有罪判決が出ており解決済みとなっているもので、
著者はこの収監中の「犯人」は無実で、真犯人が野放しになっているというのです。
ドラマ『エルピス』もこの点を踏まえており、落ち目の女性キャスターと
新米ディレクターが事件に立ち向かっていきます。

 

2、足利事件

ドラマでは2人に立ちはだかるのはTV局の報道姿勢や、政治家の隠蔽工作
だったりしますが、実際の事件(足利事件)では警察、検察、科警研、司法の壁に
著者がぶつかることになります。

この事件が冤罪になったのは警察の決めつけ捜査がそもそも悪いのですが、
犯人特定の決め手となったDNA型鑑定に問題がありました。
これをもって警察は気の弱いおじさん一人をえげつない取調べをして
「自白」をとりつけてしまいます。

このDNA型鑑定(の不備)については本書に詳しく書かれていますが、
ドラマ版では視聴者に分かりにくいということだったのでしょう、
目撃者が捏造されたという筋立てになっていました。

しかし読んでいて警察側のやり口にムカムカしてきますね。
警察側、司法の側としては初期のDNA型鑑定に問題があったとなれば、
これまでの逮捕や判決が覆ってしまう可能性があり、
おいそれとは認められないわけです。
冤罪を訴えながら既に死刑になってしまった人もいるのです。

 

3、感想

書店員の長江貴士さんがこの本を文庫Xとして仕掛けたくなる気持ちもわかります。
ノンフィクションは小説と違って勝手に話を盛り上げたりもできないので、
堅苦しさや重苦しさがつきものですが、この本は言い方は不謹慎ですが
「面白い」です。手に汗握るサスペンス感があります。

痴漢冤罪事件を描いた映画、周防正行監督作品のそれでもボクはやってない
思い出しました。
著者は真犯人をこの本の中で「ルパン3世に似た男」として特定まで至っていますが、
逮捕はされていないようです。
読後はモヤモヤがずっと残りますが、興味を持たれた方は是非読んで欲しい本です。



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